賃料収入がある土地や建物があるので、賃料の分配を受けたい。
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不動産相続Q&A
基本的には、遺産について話し合いがまとまらず、裁判所へ遺産分割調整の申立をする場合、相続人の全員の合意があれば、賃料も含めて手続きをしてもらうことができます。
しかし、賃料収入について、遺産分割調停で決定することについて相続人の同意が得られない場合、法律上、厳密に考えると、遺産から生じる賃料を本来の遺産とは「別の共有財産」として考えるため、調停がなかなか進まない時など、遺産分割調停の対象としない形で手続きがすすめられてしまうことがあります。そうなると、賃料収入の問題を解決するために、別に民事裁判を提起する必要がありますので、注意が必要です。
また、土地建物を遺産分割協議で1人の相続人の単独所有とせず、共有とした場合は、賃料の分配が継続します。
遺産分割協議でいったん共有とすると、共有を解消するには、共有持分を他の共有者に買い取ってもらうか、居室毎の区分所有にすることになります。
この交渉が成立しない場合は、地方裁判所に共有物分割の訴訟を提起し、裁判所が、全面価格賠償(買取)や現物分割(区分所有)の可能性を検討し、いずれも無理と判断した場合は、最終的には換価分割(競売)となりますが、競売となった場合は、価格が安くなってしまうので、共同で第三者に売却する方が得策です。